STRORY
開発ストーリー

STORY
開発物語

エレキギターに欠かせないストラップ

エレキギターやベースにとって重要なアクセサリーであるストラップ。ライブやスタジオで立って演奏する際には欠かせないアイテムで、自宅で座って弾くときでも、うっかり手を滑らせた時や立ち上がる際にはあるととても安心できるものです。またファッションアイテムとしての要素もあり、ギターのボディやフィンガーボードの色に加えて、ストラップの色や形の見た目も、プレーヤーを印象づけるのに大きな役割を担っています。

ギターアクセサリーの中で、シールドやピックの次に大切と言っても過言ではないストラップですが、あなたはこだわりを持っていますか。

ギターを始めて少しして、見た目や機能性などはあまり気にせずとりあえず安いストラップを買って、その後もそれを使い続けているという人もいるのではないでしょうか。特に学生時代にギターやベースを始めて、その後社会人になって人前で演奏する機会が殆どなくなったと言う人にとっては、改めてストラップを買い換える必要を感じないかもしれません。

一方で人前で演奏したり、仲間とスタジオで音出しやセッションをする機会がある方にとっては、ギターストラップもステージファッションの一部であり、見た目も機能性にもこだわって選んでいる方もいると思います。

同じギターでもストラップを変えるだけで印象ががらっと変わり、新鮮な気持ちになれます。しばらくストラップなんて変えていないな、と言う方は気分転換にお気に入りのストラップを探して、付け替えてみるのも良いかも知れません。

ハイエンドギターにふさわしいストラップが少ない現状

ギターやベースを始めて年数が経過し上達してくると、より良い楽器を持ちたいと言う欲も出てきます。年齢を重ねて趣味にお金をかける余裕が出てくると、中にはハイエンドギターと言われる30万円以上するような高級なギターや、希少価値のあるビンテージギターの魅力に惹かれ、それらを所有しいる方もいると思います。

しかしハイエンドギターやビンテージギターに相応しく、楽器そのものを引き立ててくれる高級で高品質なストラップというのは、楽器屋さんに行っても実はあまりお目にかかることが出来ません。

革製や高級品のイメージが薄いギターストラップ

ところで革製品と言うと色々ありますが、あなたはどのようなものを思い浮かべるでしょうか。靴や鞄・ハンドバッグなどは非常に代表的なもので、他にも財布や名刺入れ、パスケース、ベルト、ジャケットなどもにも革がよく使われています。

ギター・ストラップはどうでしょうか。革製品の占める割合はそれ程高くなく「ギター・ストラップ = 革製」というイメージはあまり定着していません。

他の商品分野では高級感のある素材の代表的なものが革ですが、ギター・ストラップも革製の商品は色々販売されていていますが、製品の作りや仕上の質が低いものも多く、革製だからと言って高級品とは限りません。楽器屋に行っても、楽器の価値を更に高めてくれるような高級感のあるギター・ストラップは、殆ど見当たりません。

このように革製品の中でもギター・ストラップのポジションは、他分野商品に比べて低くなっています。これには品質の高い革製ギター・ストラップが殆ど流通していないことも一因と考えられます。

革製品の中でもひときわ高級品が多い商品分野と言えば、ハンドバッグでしょう。ハイブランドの商品ともなれば、数十万から数百万円するものもあり、革の質も高く、裁断や縫製、断面処理などにも多くの手間や高い技術が注ぎ込まれています。表革の裏には裏地となる革や布が縫い付けられ、また革の断面は毛羽立たないようきれいに処理され、保護と目立たなくする目的で仕上げ剤が塗られているものが大半です。

しかし革製ギター・ストラップは一部の高価格品を除き、コストを優先するために革を裁断して穴を空けただけで、裏地の縫い付けや断面処理がなされていないものも多く見受けれれます。またギター・ストラップには3〜5kg程度の重さがかかりますが、革製でも力が集中する部分の補強がなされていないものもあります。

このように革製のギター・ストラップでは、どちらかと言うと見た目の形や色などのファッション性や価格の安さに重きが置かれる事が多く、本来の革製品としての高級感や上質な仕上げにこだわった商品が殆どないのが現実です。

せっかくハイエンドギターやビンテージギターを手に入れたなら、やはりストラップにもこだわり、その魅力を更に高めたいと思ってもその選択肢は広くないのが現状です。

ストラップ開発上のポイント

  1. デザイン上の工夫

高級感のあるギター・ストラップが殆どないからと言って、安いナイロン製や質の低い革製ストラップでは、高級な楽器の持つ魅力を引き立せるどころか、反対に安っぽく見えてしまいかねません。そこで本当にハイエンドギターに付けたいと思える、高級・高品質な革製ギター・ストラップを1から作ろうと考えました。

革素材となると、基本的に革の見た目をを活かすことが多く、柄を取り入れられる布やナイロン等に比べて、見た目が平坦な印象になりがちです。またギターストラップという性質上、形も帯状のものから外れることは難しくなります。このような制約がある中でも、曲線を取り入れたデザインにすることで、単調にならないようにしました。そしてその部分には裏面の革を見せることで、ツートーンにしてより曲線を強調させました。

  1. 長さ調節幅の広さへの挑戦

革製ギター・ストラップは、長さ調節の面でどうしても制約が出てきます。布やナイロン製であれば、金具やプラスチック部品をスライドさせるだけで自由自在に長さを変えられ、長さの可変の幅も広くなっています。一方で革製で金属部品等を使わないとなると、2つのパーツの組み合わせで長さを調節することになり、調節可能な範囲にも限界があります。

今回ギター・ストラップを開発するにあたって、金属等の部品を使うとせっかくの大切なギターを傷つけてしまう可能性があるので、それは考えませんでした。そこで座った姿勢のギターのポジションから、腰の下で低く構えた場合のポジションまで1本のストラップでカバーできるように、何度も試行錯誤しながら製品の長さや調節用の穴の位置や数などを決めて行きました。

こうすることにより、金具等を使用しないギター・ストラップにおいては、最大級の長さ調整幅を持つ、107〜149cmという1本で多くの長さのニーズ応えることを可能としました。これは身長170cm程度であれば、座ってギターを抱えたポジションから、股下でベースを構えるようなポジションまでをカバーしています。

  1. 抜け落ち防止

ギター・ストラップの一番の悩みと言えば、楽器のストラップからの脱落ではないでしょうか。それによって楽器を傷つけてしまっては後悔してもしきれません。しかしストラップを長年使用していれば、どうしても経年劣化でホールド性も低下してきてしまいます。そのためにストラップ・ロックやロックピンなど、いろいろな解決グッズが売られていますが、見た目のチープさや金属パーツを使うことによって楽器を傷つけるリスクが出てきてしまいます。

これに対して、先ず抜け落ち難くするために、ストラップピンの通し穴の大きさを徹底的に研究しました。一言でストラップピンと言っても、メーカーが違えば大きさも様々です。売られているストラップの穴の大きさもまちまちです。そこで色々なギターメーカーのストラップピンを使ってテストしながら、ミリ単位で穴と切れ込みの長さを調整し、最も大きな部類のストラップピンでもぎりぎり入るような大きさとしました。

それでもどうしても細いストラップピンの場合や、経年によるストラップのヘタリなどによって、穴がゆるくなってしまうことは避けられません。そこで革製のストラップ・ロックを別途作り、抜け落ちリスクを少しでも軽減させることに致しました。

  1. 幅広本体による重さ分散

エレキ・ギターは平均的なもので3.5〜4.0kg程度、エレキ・ベースであれば4.0〜5.0kgと決して軽くはありません。そのような楽器を肩から下げて、1,2時間も立って弾いていれば、普通に疲れと思います。

一般的に物を吊り下げる場合は、細ければ細いほど重さが1点に集中し重くかつ痛く感じます。紐の細い紙袋で重い荷物を持った場合、食い込んで手が痛くなると思います。反対に太ければ太いほど、重さが分散し、軽く感じて痛みも軽減されます。ギター・ストラップも太くすればするだけ体は楽になりますが、見た目のシャープさは失われます。Leanitonではこの両者のバランスを取って、ナイロン製や布製の一般的なギター・ストラップの幅よりはやや幅を太くし、見た目が野暮ったくならないギリギリの太さで6.5cmとしました。

  1. 革の素材選び

革製品の品質を大きく左右するのは、言うまでもなくその素材である革です。革自体の厚さが薄いと、安っぽくなってしまうので、表に使用する革にはしっかりとした厚みがあるものとしました。またストラップは身につけてギターやベースの重さがかかるため、革が硬いと肩などが痛くなるため、厚みがあっても柔らかい牛革の素材を吟味しました。革に厚みがあることによって、クッションの役目を果たしています。

裏地に使用する革に関しては、柔らかく肌に吸い付くような風合いで、伸縮性もある馬革を選びました。洋服越しに体と接する部分であるため、柔らかさと質感にかかなりこだわっており、ストラップが非常によく体に馴染むようになっています。また吸い付くような触り心地であり、これがギターやベースの重みがかかると僅かな摩擦が生じ、ストラップが滑り過ぎて勝手にヘッドが下がってしまうことを防いでくれます。

こうして表は重厚で高級感があり、裏はしっとりと吸い付くような肌触りで、手にとった瞬間にその質の高さを実感できる上質なギター・ストラップに仕上げました。

  1. 日本製の高級ハンドバッグクラスの品質

良い素材でも、ものづくりの品質が低ければその良さが損なわれてしまいます。そこで製造面でも徹底的に拘って、革製品で最も品質要求の厳しい高級ハンドバッグを国内で長年製造し、有名ブランドのOEMを数多く手掛ける老舗の工場と提携し、試作品段階から製品作りを行いました。試作段階においては、ベテランの職人と意見を交わし何度も試作を行い、実際にギターに付けてみては使用感をフィードバックして、ようやく納得のできる製品が完成しました。

このようにLeanitonのストラップは、高級ハンドバッグと同じ工程、製造方法でベテランの職人が手作業で生産しており、裁断から縫製、仕上の品質面でも、他社の革製ストラップとは一線を画す最高級の品質となっています。